チャイコフスキーの生涯をわかりやすくまとめた

チャイコフスキーの生涯をわかりやすく解説します。

交響曲第3番「ポーランド」②・チャイコフスキーのさらなるオリジナリティ

交響曲第3番「ポーランド」の異色さを解説!

 

前回の記事です。

 

nmusic.hatenablog.com

 

チャイコフスキー交響曲第3番「ポーランド

は異色な存在でした。

 

 

ピアノ協奏曲第1番をこれまでの集大成とすれば、

 

交響曲第3番「ポーランド」はチャイコフスキーにとっては

次なる一歩への一休みと言えるでしょう。

 

この曲は35歳の年の6月にスラスラと3週間くらいで完成させました。

 

 

 

交響曲というよりか、歌曲やバレエ

 

この曲がチャイコフスキーのなかで異色なのは、

 

5楽章構成で、長調で作曲されているからだけではありません。

 

 

 

この曲は組曲のような面をもっています。

 

 

第2楽章は、のちに劇付随音楽「ハムレット」に使用しています。

 

チャイコフスキーシェークスピアの大ファンだったのは

かつての記事でもふれましたが、

 

nmusic.hatenablog.com

 

 

シェークスピア作品のひとつ「ハムレット」につける曲を選ぶときに

この交響曲を使っています。

 

むしろ、もともとオペラ音楽にしたくて作ったんじゃないかと思いたくなるくらい、

劇を思わせる曲調です。

 

 

 

のち、チャイコフスキーの死後には、

バレエ音楽にも引用されるようになりました。

 

 

5楽章まで、組曲のような美しさと雑多さ

 

叙情性が際立つ第3楽章、

 

 

精緻な仕上がりを魅せるスケルツォの第4楽章。

 

 

スケルツォチャイコフスキーにとって重要な様式のひとつでしたが、

ここでもさらに磨きをかけています。

 

そして、

ポーランドポロネーズという民謡を取り入れた荘厳な第5楽章。

 

 

 

かなりごちゃまぜにした感じもしますが、

 

チャイコフスキーのこだわりが存分に発揮されています。

 

 

 

ちなみに、ポーランドは当時ロシア帝国支配下にあり、

(ちょうどショパンが活躍したときに革命を起こしたりしていますが、

数十年も昔の話になります)

 

 

ロシア音楽として、ポーランド民謡を取り入れることが行われていました。

 

 

ウクライナといい、ポーランドといい、

チャイコフスキーロシア帝国でもかなり田舎のほうの音楽を重視していました。

 

 

ついに歴史的な音楽センスを開花させる

 

チャイコフスキーは徐々に、

自分の本当にやりたい音楽の方向性を絞ってきていました。

 

 

そして、翌年には

大作を連発する重要な歳を迎えます。