チャイコフスキーの生涯をわかりやすくまとめた

チャイコフスキーの生涯をわかりやすく解説します。

ヴァイオリン協奏曲④チャイコフスキー・魅力と聴きどころ

「ヴァイオリン協奏曲」チャイコフスキー

一言でいうと、

時代がついていけなかった偉大な曲です。

どれくらい進んでいたかは①~③をご覧ください。

 

nmusic.hatenablog.com

 

 

 

チャイコフスキー

結婚生活から逃れるために、妹の家であるウクライナや、果てはスイスまで出てきていました。

 

スイスのレマン湖

f:id:nmusic:20170702162948j:plain

 

 

この美しい湖のほとりで、

結婚生活の苦痛から解放されながら書いたので、

 

全体的にのびやかな印象の曲です。

あんまり精神的な深みを表してるような気がしません。

 

 

この曲は

ラロの「スペイン交響曲」を聴いて、

そこからインスピレーションを得ています。

 

民族的な心や、演出上の効果に重きを置いて作曲をしたといわれています。

 

 

とはいっても、絶望からの復活という当時のこころを映すように、

非常にエネルギーにあふれた情熱的な雰囲気が持ち味の曲に仕上がりました。

 

 

彼の情熱については

「グランド・ソナタ」のほうで解説したので、

 

nmusic.hatenablog.com

 

 

今回はヴァイオリン協奏曲を音楽技術からみて解説します!

 

 

第1楽章、美しさと迫力は一品!

 

第1主題は、オペラ「カルメン」の終幕、ホセの歌うメロディを活用しています。

 

チャイコフスキーは作曲者のビゼーがだいすきでした。

 

 

そして、第2主題は、麗しい旋律。希望を感じるテーマです。

 

 

展開部に入ると、

エネルギーあふれる曲調になります。

 

 

第1主題はポロネーズのリズムを伴い、オーケストラに合わせて歯切れよく登場します。

ここで、技術的に難しいカデンツァが現れます。

 

この部分はとにかく汗握る場面です。

 

 

最後に

フルートが第1主題を奏でて、再現部に入ります。

 

 

そして、再現部では、2つの主題を華麗に壮大に表現します。

 

 

第2楽章、感傷にひたるロマンの歌

 

感傷的な第2楽章です。

 

悲しげであこがれに満ちた主要主題。

 

感情の起伏が豊かな中間部主題。

 

 

この2つの材料をもとにして、

ヴァイオリンが豊かな歌を披露します。

 

 

 

チャイコフスキーは当初、「瞑想曲」をおくことを考えていたようですが、

計画を変更し、

「瞑想曲」は「懐かしい土地の思い出」の第1楽章になります。





第3楽章、強烈な舞曲!

 

強烈なトレパック風のリズムに乗り、

情熱的な音楽が繰り広げられます。

 

技巧的にも高度なものが求められるヴァイオリンは

活気にみちた演奏を魅せます。

 

そして、最後は、激しく熱狂的なもりあがりのうちに終わります。