チャイコフスキーの生涯をわかりやすくまとめた

チャイコフスキーの生涯をわかりやすく解説します。

白鳥の湖を100倍楽しむ!③・チャイコフスキーの自由すぎる楽想

チャイコフスキー白鳥の湖」を音楽的に解説!

 

前回の記事では、

白鳥の湖のあらすじを紹介しました。

 

nmusic.hatenablog.com

 

 

今回は、音楽的な「白鳥の湖」のすばらしさをじっくりと解説していきます!

 

 

有名な「白鳥のテーマ」~第1幕のフィナーレ

 

形を変えて何度も登場してくるこの「白鳥のテーマ」は、

 

とっても悲劇的で、そのたびに胸がしめつけられるような哀しさで迫ってきます。

 

 

一方で、

 

舞曲では優美で楽しい曲が何曲も流れてきます。

 

 

1幕のワルツ、

2幕の「白鳥たちの踊り」、

3幕のハンガリア舞曲、ロシア舞曲、スペイン舞曲など

 

どれもが心が浮き立つような音楽です!

 

 

 

他にも、シーンによって幻想的な雰囲気たっぷりの曲、

 

ロマンチックな曲、

 

劇的で激しい曲など、

 

本当にさまざまな魅力ある曲が次々にあらわれます。

 

 

まさに豪華なフルコースの音楽だといえるでしょう!

 

 

 

ここだけは聞いておきたい!4幕フィナーレ

 

「白鳥のテーマ」が緊迫したリズムで奏でられ、

 

音楽が急にシリアスになる。

 

 

王子ジークフリートと悪魔との闘い。

 

そして、オデット姫の哀しみ。

 

 

 

それらの展開は悲劇へと向かい、

 

もっとも戦いが激しくなったところで「白鳥のテーマ」が

悲劇的に響き渡るのです。

 

ついに悪魔ロットバルトに敗れてしまいます。

 

 

 

しかし、次の瞬間、

「白鳥のテーマ」は長調に転じ、王子と姫の魂が結ばれたことを教えてくれます。

 

 

天界にのぼっていき、そこで結ばれる二人の最後を描いた部分は、

 

この曲のもっとも感動的なシーンでもあります。

 

 

 

この傑作的な盛り上がり方は、

 

チャイコフスキーの音楽性の核心をついたものではないでしょうか。

 

 

 

 

チャイコフスキー節、炸裂!!

 

この曲でチャイコフスキーは、

 

これまでの交響曲や協奏曲といった形式からいっさい解放されました。

 

 

バレエ音楽という未発達なジャンルであったがゆえに、

 

彼は形式を気にすることなく、

やりたいことを存分にやりきることができました。

 

 

 

そのエッセンスは、

 

チャイコフスキーの美しい旋律。

 

ロシア的な雰囲気の曲、

 

自由に羽目を外した構成などを駆使して、

 

 

物語とともに音楽を千変万化させていったところにあります。

 

 

 

白鳥の湖」とチャイコフスキー36歳の生きざま

 

この傑作をひっさげて、

 

チャイコフスキーはどのように生きていたのでしょうか?

 

 

当時の状況をみれば、

大作曲家のしられざる苦悩がわかります。