チャイコフスキー仕事に慣れ始める30歳「3つの小品」
肩の力が抜けたチャイコフスキー
順調にこなしていました。
無事に30歳を迎えます。
この時期になると、
チャイコフスキーはこれまで以上に肩の力を抜いた
自然体な音楽をつくるようになります。
彼自身のなかにあるロシア民謡が
もっと自然に楽曲のなかに現れるようになります。
そうした流れのなかでできたのが、
「3つの小品」です。
ピアノ曲「3つの小品」
1870年、彼が30歳のときに作曲されました。
第1曲「夢想」
第2曲「サロン風ポルカ」
第3曲「サロン風マズルカ」
彼の作品番号1である「2つの小品」
これは
と
です。
題名を見ても、
すこしだけいかつい感じがしますが、
一方で
それから4年たった「3つの小品」は
力の抜けた印象を与えるタイトルが多いです。
そして、この第2曲は18年後、
フランス・パリでときの大ピアニストに演奏されるほど有名になります。
「3つの小品」の評価
ふと思い立ったメロディをすかさずノートに書き留め、
それを楽譜によみがえらせていったような淡い叙情味あふれる音楽です。
技巧や表現に節度がある、とても落ち着いた感じの曲です。
まさにチャイコフスキーの自然体を表現しているといえるでしょう。
第1曲「夢想」ニ長調
チャイコフスキーらしい下降音型の素朴なメロディが印象的です。
アルペジオが曲にアクセントをつけますが、表現は素直で情感が際立っています。
軽い感じのノリノリなポルカですが、
最後オクターブで音の厚みを加えて印象的に終結します。
第3曲「サロン風マズルカ」
マズルカといいます。
チャイコフスキーはロシアの音楽のひとつとして取り込んだといえるでしょう。