チャイコフスキーの生涯をわかりやすくまとめた

チャイコフスキーの生涯をわかりやすく解説します。

「フランチェスカ・ダ・リミニ」②・冒頭からひきこまれるチャイコフスキー

フランチェスカ・ダ・リミニ」の音楽的魅力

 

前回記事です。

 

nmusic.hatenablog.com

 

 

チャイコフスキーは、

 

「すべての音楽は標題音楽的だ」と語っていたように、

 

 

今回も

文学をよんで感じた感動を、音楽へと表そうとしました。

 

というよりも、文学を読んでいる時にはもうすでに音楽が耳の中で鳴り響いていたのかもしれません。

 

 

 

その思いは、

 

曲の冒頭から現れます。

 

 

チェロとコントラバスと2本のファゴットによる激しい下降にはじまります。

 

このほんの一瞬で、詩の世界にひきずりこまれます。

 

 

 

チャイコフスキーのあとの時代に

マーラーという大作曲家が現れますが、

 

彼の交響曲2番「復活」でも同じく激しい低音ではじまります。

 

 

低音の迫力と威厳。

 

大作曲家たちはこの効果をしっかりと認識していました。

 

 

そして、この一瞬にあふれでる感情をすべて託してから

曲は幕をあけます。

 

 

フランチェスカ・ダ・リミニ」とは?

 

フランチェスカ・ダ・リミニは、

 

ダンテの神曲の地獄編に登場する話の主人公です。

 

 

フランチェスカは、イタリアの地方に住む美しい娘でした。

 

父の命令で望まない結婚をし、

使用人と浮気をします。

 

そして、浮気が夫にみつかり、夫に殺されてしまう話です。

 

 

 

ハマる「地獄のモチーフ」と音程!!

 

冒頭に奏でられる「地獄のモチーフ」は

 

金管楽器でいさましく華々しく演奏されます。

 

 

チャイコフスキーのメロディ感を感じることができ、

ファンにとってはハイテンションになる箇所です。

 

 

そして、今度は彼の得意の、音程!

 

「減7の和音」といわれる「不安」や「不気味」を表現するために使われる

定番の和音を使って、

 

音符をどんどん下降させていきます。

 

おどろおどろしい地獄の苦しみを表現します。

 

 

一方で、下降をくりかえしつつも

全体として上昇していきます。

 

そのせめぎあいが、地獄のなかで救いを求める人々の姿と重なります。