ピアノソナタ「グランド・ソナタ」①・チャイコフスキー、ロシア初のピアノ大曲
チャイコフスキー、絶望からの復活
1877年の絶望を乗り越え、
交響曲第4番、「エフゲニーオネーギン」という大曲を生み出します。
そして、実は、そんなチャイコフスキーの再始動を象徴する曲があります。
1878年に完成した、
「ヴァイオリン協奏曲」です。
前回記事です。
チャイコフスキーの復活を印象付けた音楽
チャイコフスキーは結婚生活やお金の悩みから、
長い長いうつ病にかかってしまいます。
しかし、フォン・メック夫人の援助などにより復活、
作曲活動を再開できるまでになりました。
そんなチャイコフスキーの再始動を印象付けた曲が、
音楽でうつ病を克服
彼は、この「グランド・ソナタ」に集中したことで、
良い意味でふっきれることができ、うつ病を乗り越えることに成功します。
そんなたくましいほどのエネルギーと、強い生命力、そして、熱意のつまった壮大な
ピアノソナタに、
彼は人一倍の思い入れを抱いていました。
同時期に作曲された「ヴァイオリン協奏曲」も同様な思いが詰まっていて、
「絶望からの復活」というチャイコフスキー自身の体験をもとにつくっています。
チャイコフスキーの言葉でいうと、
「再生と幸福への夜明け」。
「グランド・ソナタ」は、英雄的で勇ましい響きと激しい闘争をもっている一方で、
ヴァイオリン協奏曲は、より幸福とは?といった点に重きを置いているようです。
「グランド・ソナタ」のききどころ