チャイコフスキーの生涯をわかりやすくまとめた

チャイコフスキーの生涯をわかりやすく解説します。

「フランチェスカ・ダ・リミニ」をチャイコフスキーが解説

神曲と出会うチャイコフスキー

 

チャイコフスキーは36歳の夏に、

ワーグナーの音楽祭に出席するために旅にでます。

 

そして、旅先で偶然みつけた本が

フランチェスカ・ダ・リミニ」が収録された「神曲」という本でした。

 

 

 

これに感動に、一気にかきあげたといわれています。

 

 

彼は「フランチェスカ・ダ・リミニ」について、

手書きで、解説を残しているので以下で紹介します。

 

(その前に基本知識を知りたい方はこちら!)

 

nmusic.hatenablog.com

 

チャイコフスキーによる解説

 

「主人公(「地獄」は作詩者ダンテが主人公)は、地獄に案内されます。

 

ここではうめき声と絶望の悲鳴が空間を満たし、陰鬱なくらがりの中、嵐が吹き荒れています。

この地獄の旋風は、愛におぼれた人たちの霊魂をかき回しています。

 

無数に飛び交うタマシイのなかから、主人公は見るのです。

 

互いに抱擁しあっているフランチェスカ(娘)とパオロ(浮気相手)を!

 

訴えかけるような悲痛な光景を目の当たりにしたダンテは、

その二人の顛末を知りたくなり、フランチェスカの魂にはなしかけます。

 

彼女は悲しい物語を語りだしました。

 

 

 

意の沿わない相手と政略結婚させられたのです。

嫉妬深い夫よりも、パオロを愛してしまっていました。

 

共生結婚の絆は、パオロへの愛情の前にはもろく、

ある日二人でランスロットの不義の恋にかんする本を読んでいると、

 

ふと視線が合い、そして互いに抱擁し、愛を確信しました。

 

 

手から本が落ちた瞬間、とつぜん夫が入ってきてパオロと私を殺したのです。」

 

パオロの抱擁で彼女の話を閉じた瞬間、

地獄の旋風が二人を巻き込んで吹き飛ばしていきます。

 

その場に呆然と立ち尽くす主人公は、あまりの出来事に失神して倒れてしまいます。」

 

 

このシリアスで劇的な世界を表現しつくした

フランチェスカ・ダ・リミニ」は

文学についた音楽の中では群を抜いた傑作とされ、演奏され続けています。