交響曲第2番「小ロシア」⑥・ロシア五人組とチャイコフスキーの親交
ロシア五人組とチャイコフスキーの親交
前回の記事です!
交響曲第2番「小ロシア」をきっかけに
ロシア五人組との仲はさらにふかまっていきます。
特に、
『小ロシア』で最も印象深いのはスケルツォで、
この楽章の独特な性格はチャイコフスキーと五人組との近しい関係にあると言われています。
ここで、
五人組との関係をわかりやすく解説します。
チャイコフスキー29歳、ボロディンと会う
1869年にアレクサンドル・ボロディンの交響曲第1番が初演されます。チャイコフスキーは初めて「五人組」の面識を得ることになります。
これまで聞いたこともないようなロシアの音楽満載の曲に
チャイコフスキーは度肝を抜かれたことでしょう。
一方で、チャイコフスキーも同様の才能をみるみるうちに発揮し、
同年には、
幻想序曲『ロメオとジュリエット』をつくります。
これのすばらしさにこんどは五人組が狂喜したそうです。
そして、交響曲第2番「小ロシア」を作曲した、1872年にチャイコフスキーと五人組の交流は盛んでした。
五人組の影響を受けた楽章
「小ロシア」のスケルツォ楽章は、
ボロディンの交響曲第1番に大きく影響を受けているように見えます。
むしろ、ボロディンなくして、この楽章は誕生しなかったといっても過言ではないほど、
よく似ているのです。
かれらの楽章に見られる最大の特徴は、
和声の大胆さと基礎的なリズムの静かなパルスです。
チャイコフスキーが進化を遂げるために必要なインスピレーションを
さらに影響を与え合うチャイコフスキーと五人組
もっと彼らの関わりは深いものになっていきます。
交響曲第2番「小ロシア」の魅力とともに伝えていきます。