チャイコフスキーの生涯をわかりやすく解説

チャイコフスキーの生涯をわかりやすく解説します。

チャイコフスキー28歳・オペラ「地方長官」の悲劇

オペラ「地方長官」のずっこけエピソード

 

チャイコフスキーは、

 

崇拝する劇作家・オストロフスキーと仲良くなり、

 

 

ついには、一緒にオペラをつくる約束まで取り付けます。

 

 

 

あの忙しいオストロフスキーが

まだ新人のチャイコフスキーのために台本を書いてくれる。

 

それだけですごいことですが、

 

 

 

チャイコフスキーはそれ以上に

ずっこけたことをします。

 

 

 

 

なんと、

オストロフスキーが書いてくれた原稿をなくしてしまったのです。

 

 

 

当時、不安定な生活をしていたとはいえ、

大事な原稿をなくすとは、

 

チャイコフスキーの劇的なエピソードのひとつです。

 

 

 

ここで、もっとすごいのはオストロフスキーで、

 

チャイコフスキーにあきれながらも、なんともう一度原稿を書き上げてくれました。

 

 

かなりの男っぷりです。

 

 

 

 

オペラ「地方長官」の悲劇

 

そして、チャイコフスキー28歳の年に

 

彼のはじめてのオペラ「地方長官」は完成します。

 

 

 

評判はどうだったか?

 

 

 

最悪でした。

 

 

 

 

 

当時のロシアでは、イタリア歌劇が流行っていて、

 

ヴェルディを中心とした華やかで活気のあるオペラに人気が集まっていました。

 

 

 

チャイコフスキーの芸術作品は

なかなか受け入れてもらえません。

 

どの劇場も上演したがらないので、

衣装や舞台もちゃっちものになってしまい、

さらに売れません。

 

 

 

チャイコフスキーが生きている間に

5回ほどしか演奏されなかったといわれています。

 

 

あまりのふがいなさに

 

周りの期待に応えたい男チャイコフスキーは、

かなり落ち込んで、自信を喪失してしまったそうです。

 

 

 

あまりの哀しみから

その台本を焼き払ってしまったとも言われています。

(現在、その台本と楽譜は見つかったようです)

 

 

チャイコフスキーは栄光と挫折の多い作曲家人生を歩み始めていました。

 

 

「地方長官」はチャイコフスキーの魂

 

この作品の中には、さまざまな形で

チャイコフスキーのこだわりがふんだんに盛り込まれています。

 

 

若いチャイコフスキー

その情熱を詰め込みまくった作品といえるでしょう。

 

 

 

ロシア民謡が次々に引用されていく第1幕、第2幕。

 

 

そして、

 

ソプラノとアルトによるオリョーナの二重奏では、

なんとのちの名作「白鳥の湖」第4幕の情景に使用されたメロディと

 

おなじく傑作「1812年」に使われたメロディが出てきます。

 

 

 

 

チャイコフスキーを大芸術家にした名曲たちのメロディが入っているあたり、

 

この「地方長官」には大きな意義があります。

 

 

第3幕も、「白鳥の湖」第4幕のメロディを繰り返してはじまり、

 

後半の晴れやかな管弦楽・ホルンの斉奏でも、「白鳥の湖」の終幕の感動的な演出を用いています。

 

 

 

さらに、最後の終わり方は、

交響曲第1番と同じ締めをします。

 

 

まさにチャイコフスキーらしさ

チャイコフスキーのやりたいことを存分に詰め込んだ作品と言えるでしょう。

 

 

ここまで、自分のやりたいことを詰め込める作曲家は

なかなかいません。