チャイコフスキーの生涯をわかりやすくまとめた

チャイコフスキーの生涯をわかりやすく解説します。

チャイコフスキー26歳・実はおもしろい隠れた名曲(デンマーク国歌による祝典序曲)

チャイコフスキーの職人魂

 

チャイコフスキーは26歳のときに、

有名な作品を2曲の作曲をしています。

 

 

1つが、交響曲1番「冬の日の幻想」

 

もうひとつが、

この「デンマーク国家による祝典序曲」です。

 

 

この曲を知れば、

チャイコフスキーが周囲の期待にいかにこたえようとしたのか

を知ることができるでしょう。

 

 

f:id:nmusic:20170708091838j:plain

 

たった1度の「デンマーク国歌~祝典序曲」

 

この曲は

ロシア皇太子アレクサンドル(のちの皇帝アレクサンドル3世)と

デンマーク王女ダウマー(のちの皇后マリア・フョードロヴナ)の成婚を記念して、

 

両者のモスクワ来訪の歓迎式典で演奏すべき機会音楽として依頼されました。

 

 

 

チャイコフスキーにこの話をもってきたのは、

 

モスクワ音楽院の院長ニコライ先生です。

 

 

交響曲1番を成功に導き、チャイコフスキーを居候させていた、

あのニコライ先生が音楽院の後輩であるチャイコフスキーに話をもってきました。

 

 

なにしろ、国家の威信がかかってますから、

最高の楽曲をつくろうと気合いが入っています。

チャイコフスキー、いきなりの大仕事です。

 

 

チャイコフスキーはこの曲が

行事のときだけのただ1度しか演奏されないことを全く承知の上での作曲をしました。

 

本当なら芸術作品として世に残り、ずっと演奏され続ける作品をつくりたいものでしょうが、

 

 

チャイコフスキーはそうした職人意識も持ち合わせていたのでしょう。

 

 

デンマーク国家による祝典序曲」の評価

 

この曲には、

ロシア国家とデンマーク国家を引用してもちいています。

 

 

つまり、デンマーク王家とロシア皇室の結びつきを盛大に祝おうという、

チャイコフスキー渾身のアイデアだったわけです。

 

 

チャイコフスキーがのちに作曲して、

チャイコフスキーの代表作となる、

 

戴冠式祝典行進曲》や荘厳大序曲《1812年》の姉妹作とされています。

 

そして、チャイコフスキー自身は、

「「1812年」よりも、デンマーク国家による祝典序曲のほうが優れている」

と言っているようです。

 

 

実際に聞いてみると、

1812年」は非常に作りこまれた感じ。

 

たしかに、盛り上がりは壮大だし、

トーリー性や演出も申し分ない傑作に仕上がっています。

 

 

ただ、なぜか

芸術作品として、落ち着いて鑑賞できない。

チャイコフスキーの描く美しく透き通ったような世界観が

足りていない印象があるのです。

 

 

 

 

一方で、

デンマーク国家による祝典序曲」は、

チャイコフスキーの世界観が存分に発揮されています。

 

すこし盛り上がりに欠けたり、しつこかったりするところもありますが、

 

 

曲の構成がうまい=すぐれた芸術

 

ではなく、

 

メロディがキャッチ―=すぐれた芸術

 

でもなく、

 

 

 

芸術家が自分の持てるもの全てを出し切って表現したものが

すぐれた芸術作品と呼ばれます。

 

 

そういう意味で、

チャイコフスキー

作曲家としてデビューしたてのころから、

すぐれた芸術を送り出し続けた作曲家なのではないでしょうか?

 

 

憧れの人と共演 

有名になってあこがれのひとと共演するのが夢という人もいますが、

 

チャイコフスキーもまさにそのタイプ。

憧れの作家との共演を次々と果たしていきます。

 

その第一号が当時人気だったオペラ作家です。

 

nmusic.hatenablog.com

 

他にも超有名人とあっています。

 

 

nmusic.hatenablog.com