チャイコフスキーの生涯をわかりやすくまとめた

チャイコフスキーの生涯をわかりやすく解説します。

「フランチェスカ・ダ・リミニ」をチャイコフスキーが解説

神曲と出会うチャイコフスキー チャイコフスキーは36歳の夏に、 ワーグナーの音楽祭に出席するために旅にでます。 そして、旅先で偶然みつけた本が 「フランチェスカ・ダ・リミニ」が収録された「神曲」という本でした。 これに感動に、一気にかきあげたとい…

「フランチェスカ・ダ・リミニ」②・冒頭からひきこまれるチャイコフスキー

「フランチェスカ・ダ・リミニ」の音楽的魅力 前回記事です。 nmusic.hatenablog.com チャイコフスキーは、 「すべての音楽は標題音楽的だ」と語っていたように、 今回も 文学をよんで感じた感動を、音楽へと表そうとしました。 というよりも、文学を読んで…

幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」・ファンタジスタ!チャイコフスキー

チャイコフスキー、幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」 チャイコフスキーは「幻想」という言葉がとっても大好きでした。 なぜかはわかりませんが、 彼の楽曲には幻想と名の付く楽曲が並んでいます。 幻想序曲「ロミオとジュリエット」 幻想序曲「テンペス…

スラブ行進曲・熱狂をしかけるチャイコフスキー

チャイコフスキー、スラブ行進曲 必ず、ウケる民族曲。 リストのハンガリー狂詩曲 ブラームスのハンガリー舞曲集 ドヴォルザークのスラブ舞曲集 有名作曲家が次々と、民族曲をヒットさせるなか、 (関係ないですが、ベートーベン、モーツァルトは トルコ行進…

弦楽四重奏曲第3番・チャイコフスキー~さいごの弦楽四重奏

チャイコフスキー弦楽四重奏曲第3番 チャイコフスキーは生涯で3つの弦楽四重奏曲を書いていますが、 それらは1871年から1876年の間に作られています。 31歳から36歳までのわずか5年とちょっとの間に 生涯を代表する音楽を作り上げてしまいました。 nmusic.…

チャイコフスキーとワーグナー「お前の劇は、退屈だ!!」

チャイコフスキー、ワーグナーを知る チャイコフスキーは、ドイツで大活躍しているワーグナーという音楽家の存在をしります。 そして、36歳のときに、本格的に彼のすさまじい音楽性に触れ、 影響を受けることになりました。 それはすぐに「白鳥の湖」など、 …

白鳥の湖の初演・チャイコフスキーの苦難

「白鳥の湖」に憧れのすべてを注ぎ込む 前回記事はこちらです。 チャイコフスキー「白鳥の湖」の魅力を あますところなく語っています。 nmusic.hatenablog.com 1876年、36歳で「白鳥の湖」を作曲したチャイコフスキーは、 ドイツで楽劇の神様とあがめられて…

白鳥の湖を100倍楽しむ!③・チャイコフスキーの自由すぎる楽想

チャイコフスキー「白鳥の湖」を音楽的に解説! 前回の記事では、 白鳥の湖のあらすじを紹介しました。 nmusic.hatenablog.com 今回は、音楽的な「白鳥の湖」のすばらしさをじっくりと解説していきます! 有名な「白鳥のテーマ」~第1幕のフィナーレ 形を変…

白鳥の湖を100倍楽しむ!②・すぐに見たくなるあらすじ紹介

チャイコフスキー「白鳥の湖」のあらすじ 前回記事です。 nmusic.hatenablog.com 「白鳥の湖」は、バレエの伴奏音楽として作曲されました。 このバレエのあらすじを 魅力がしっかりと伝わるように書いていきます! 全体のあらすじをざっくり 「白鳥の湖」は…

白鳥の湖を100倍楽しむ!①・チャイコフスキーの最高傑作?

チャイコフスキー「白鳥の湖」を100倍楽しむためには? チャイコフスキーは、「白鳥の湖」を作曲したときの経緯は こちらにまとめています。 nmusic.hatenablog.com チャイコフスキーは、 非常にこころ優しい人物であったと伝えられていて、 小さな動物を愛…

白鳥の湖①・チャイコフスキーがドン底で紡いだ傑作

チャイコフスキー史上の傑作のひとつ チャイコフスキー「白鳥の湖」は チャイコフスキー史上の傑作のひとつと言われています。 有名なメロディは「白鳥のテーマ」として、 広く知られています。 うっとりするような魅惑的な旋律と、 それに挟まれたウキウキ…

深く知ろう!チャイコフスキーの激動の3年間③

激動の3年間のクライマックス チャイコフスキーの激動の3年間はついにクライマックスを迎えます。 nmusic.hatenablog.com nmusic.hatenablog.com 思えば、「白鳥の湖」を作曲したときも 決して心もちは楽ではなく、 憂鬱な精神のなかで傑作を書き上げたので…

深く知ろう!チャイコフスキーの激動の3年間②

チャイコフスキーを知るうえで欠かせない3年間 前回記事です。 nmusic.hatenablog.com チャイコフスキーは 絶頂期から、 徐々に彼の人生にふりかかる宿命に悩まされ始めます。 しかし、フォン・メック夫人という希望も現れました。 「最重要な転機1877年」 …

深く知ろう!チャイコフスキーの激動の3年間①

楽曲が何千倍も深くなる、チャイコフスキーの知識! さて、前回の記事から続いて、 さらに詳しくチャイコフスキーの 激動の3年間を解説しています。 激動の3年間は、 1876年から1878年までの期間で、 当時の世界では、 西欧列強や、アメリカ・ロシア・日本で…

交響曲第4番⑥・最強の自信にあふれるチャイコフスキー

交響曲第4番とチャイコフスキーの人生 これまでの記事では、 nmusic.hatenablog.com 交響曲第4番から チャイコフスキーの音楽性と人生観を見てきましたが、 この曲を作曲したときのチャイコフスキーは どのような生活を送っていたのでしょうか。 これまでも…

交響曲第4番⑤第4楽章・チャイコフスキーがたどり着いた意外な答え

第1~3楽章はとにかく負け続ける チャイコフスキーの交響曲第4番は、 とにかく負け続けます。 第1楽章で、はやくも諦め、 第2,3楽章では、どうすれば現実逃避して楽になれるのか?を考え、 なにかヒントに近づいたりもするのですが、それをうまく感じ取る…

交響曲第4番④第2・3楽章・チャイコフスキーの意外性

交響曲第4番からチャイコフスキーの心を読む! チャイコフスキー交響曲第4番の第1楽章は、 悲痛な敗北で幕を下ろします。 いきなりのあきらめです。 nmusic.hatenablog.com nmusic.hatenablog.com チャイコフスキーが伝えたかったことはどういうことなのか?…

交響曲第4番③第1楽章・チャイコフスキーの得意技「交錯」

チャイコフスキーの交響曲第4番・第1楽章を解説! 前回は、 チャイコフスキーの交響曲第4番のなかでも特に印象的な、 第1楽章の序奏を解説しました。 nmusic.hatenablog.com そして、それに続く、第1楽章の本体は チャイコフスキーの得意技ともいえる、「現…

交響曲第4番②運命の動機・チャイコフスキーによる解説!

チャイコフスキー自ら、くわしく解説 交響曲第4番は、 チャイコフスキー自らが詳細な解説を書いています。 同時に、音楽観も語っていますが、 それについては前回記事を。 nmusic.hatenablog.com かれが手紙でここまでの解説をしたのは、 フォン・メック夫人…

交響曲第4番・チャイコフスキー、音楽を語る

チャイコフスキーの交響曲第4番 チャイコフスキーは37歳のときにフォンメック夫人の援助を受けるようになります。 その額、年間1000万円前後。 何もしなくても、ロシアの高官なみの収入を得られるようになったのです。 さて、そんなチャイコフスキーは旅行に…

チャイコフスキーと未亡人フォン・メック夫人との出会い

チャイコフスキーとフォン・メック夫人 題名を「チャイコフスキーとフォン・メック夫人の出会い」としていますが、 実は二人は一度もあったことがありません。 ただ、フォン・メック夫人は チャイコフスキーの楽曲の演奏を聴いたことがあるだけで、 ふたりの…

交響曲第4番・チャイコフスキー、ついに真の作曲家へ

チャイコフスキー交響曲第4番をつくりあげた秘訣 チャイコフスキーはこの交響曲第4番をもって、 真の作曲家としての道を歩みだしたといわれています。 なぜなら、この時期に チャイコフスキーに経済援助をしてくれる未亡人があらわれたからです。 これによっ…

人生に大いに悩む・チャイコフスキー36歳

チャイコフスキーがノリノリな時期 いよいよ絶頂と絶望の1876、1877年を迎えます。 チャイコフスキーは36歳でした。 1876年はチャイコフスキーにとって、もっとも得意げな年でした。 ・パトロン現る チャイコフスキーの楽曲に感動し、 チャイコフスキーに資…

交響曲第3番「ポーランド」②・チャイコフスキーのさらなるオリジナリティ

交響曲第3番「ポーランド」の異色さを解説! 前回の記事です。 nmusic.hatenablog.com チャイコフスキーの交響曲第3番「ポーランド」 は異色な存在でした。 ピアノ協奏曲第1番をこれまでの集大成とすれば、 交響曲第3番「ポーランド」はチャイコフスキーにと…

交響曲第3番「ポーランド」①・チャイコフスキー35歳の成熟

チャイコフスキーの交響曲第3番「ポーランド」 チャイコフスキーは 交響曲を6曲作りますが、 短調で書かれたものが5曲あります。 これは、チャイコフスキーの持ち味である ドラマティックな表現を扱うには短調が向いていたからと言われています。 そんな交…

ピアノ協奏曲第1番⑤・チャイコフスキー初期の集大成

ピアノ協奏曲第1番を解説 前回記事です。 nmusic.hatenablog.com 今回はこれだけのムーブメントを引き起こし、 戦後、クラシック音楽が衰退していく中でも 爆発的な人気となったこの曲のすごさを解説していきます。 とにかく雄大!第1楽章 雄大な序奏と変則…

ピアノ協奏曲第1番④・チャイコフスキー、アメリカデビュー!

ピアノ協奏曲第1番、初演の場所は・・・ チャイコフスキーは、 ドイツのベテラン指揮者 ハンス・フォン・ビューローに ピアノ協奏曲第1番を手渡します。 nmusic.hatenablog.com そして、 リスト、ワーグナー、ブラームスといった天才と仕事をしてきたビュー…

ピアノ協奏曲第1番③・チャイコフスキー35歳、凄腕指揮者との出会い

チャイコフスキーの決意 前回の記事です。 nmusic.hatenablog.com チャイコフスキーは、 ニコライ先生から予想外にも ピアノ協奏曲第1番のダメ出しを受けてしまいました。 「わたしの言う通りに書き直しなさい。 それなら、初演してあげよう」 とまで言われ…

ピアノ協奏曲第1番②・チャイコフスキー、出来すぎて酷評される

ピアノ協奏曲第1番は、まさかの酷評 前回の記事です。 nmusic.hatenablog.com チャイコフスキーは ニコライ先生に初演をしてもらおうと 楽譜が完成して真っ先に彼のところにみせに行きます。 これまで、チャイコフスキーの作品をよく理解し、 多くの初演を行…

ピアノ協奏曲第1番①・チャイコフスキーの初期の傑作

チャイコフスキーの傑作「ピアノ協奏曲第1番変ロ長調」 チャイコフスキーの作曲した曲のなかでは有名で、 さらに初期の作品のなかでは間違いなく一番の傑作と言われているのが、 「ピアノ協奏曲第1番」変ロ長調です。 チャイコフスキー34歳のころの作品です…