チャイコフスキーの生涯をわかりやすくまとめた

チャイコフスキーの生涯をわかりやすく解説します。

2017-06-25から1日間の記事一覧

交響曲第4番・チャイコフスキー、ついに真の作曲家へ

チャイコフスキー交響曲第4番をつくりあげた秘訣 チャイコフスキーはこの交響曲第4番をもって、 真の作曲家としての道を歩みだしたといわれています。 なぜなら、この時期に チャイコフスキーに経済援助をしてくれる未亡人があらわれたからです。 これによっ…

人生に大いに悩む・チャイコフスキー36歳

チャイコフスキーがノリノリな時期 いよいよ絶頂と絶望の1876、1877年を迎えます。 チャイコフスキーは36歳でした。 1876年はチャイコフスキーにとって、もっとも得意げな年でした。 ・パトロン現る チャイコフスキーの楽曲に感動し、 チャイコフスキーに資…

交響曲第3番「ポーランド」②・チャイコフスキーのさらなるオリジナリティ

交響曲第3番「ポーランド」の異色さを解説! 前回の記事です。 nmusic.hatenablog.com チャイコフスキーの交響曲第3番「ポーランド」 は異色な存在でした。 ピアノ協奏曲第1番をこれまでの集大成とすれば、 交響曲第3番「ポーランド」はチャイコフスキーにと…

交響曲第3番「ポーランド」①・チャイコフスキー35歳の成熟

チャイコフスキーの交響曲第3番「ポーランド」 チャイコフスキーは 交響曲を6曲作りますが、 短調で書かれたものが5曲あります。 これは、チャイコフスキーの持ち味である ドラマティックな表現を扱うには短調が向いていたからと言われています。 そんな交…

ピアノ協奏曲第1番⑤・チャイコフスキー初期の集大成

ピアノ協奏曲第1番を解説 前回記事です。 nmusic.hatenablog.com 今回はこれだけのムーブメントを引き起こし、 戦後、クラシック音楽が衰退していく中でも 爆発的な人気となったこの曲のすごさを解説していきます。 とにかく雄大!第1楽章 雄大な序奏と変則…

ピアノ協奏曲第1番④・チャイコフスキー、アメリカデビュー!

ピアノ協奏曲第1番、初演の場所は・・・ チャイコフスキーは、 ドイツのベテラン指揮者 ハンス・フォン・ビューローに ピアノ協奏曲第1番を手渡します。 nmusic.hatenablog.com そして、 リスト、ワーグナー、ブラームスといった天才と仕事をしてきたビュー…

ピアノ協奏曲第1番③・チャイコフスキー35歳、凄腕指揮者との出会い

チャイコフスキーの決意 前回の記事です。 nmusic.hatenablog.com チャイコフスキーは、 ニコライ先生から予想外にも ピアノ協奏曲第1番のダメ出しを受けてしまいました。 「わたしの言う通りに書き直しなさい。 それなら、初演してあげよう」 とまで言われ…

ピアノ協奏曲第1番②・チャイコフスキー、出来すぎて酷評される

ピアノ協奏曲第1番は、まさかの酷評 前回の記事です。 nmusic.hatenablog.com チャイコフスキーは ニコライ先生に初演をしてもらおうと 楽譜が完成して真っ先に彼のところにみせに行きます。 これまで、チャイコフスキーの作品をよく理解し、 多くの初演を行…

ピアノ協奏曲第1番①・チャイコフスキーの初期の傑作

チャイコフスキーの傑作「ピアノ協奏曲第1番変ロ長調」 チャイコフスキーの作曲した曲のなかでは有名で、 さらに初期の作品のなかでは間違いなく一番の傑作と言われているのが、 「ピアノ協奏曲第1番」変ロ長調です。 チャイコフスキー34歳のころの作品です…

弦楽四重奏曲第2番・チャイコフスキーの速い作曲スピード

チャイコフスキーが一気に書いた弦楽四重奏曲第2番 この曲はほぼ1か月くらいで書かれた曲で、 チャイコフスキー33歳、34歳のときの曲です。 異例なほどの速さで書かれていますね。 このことをチャイコフスキーは、弟への手紙の中で 「これほどにたやすく、す…

幻想序曲「テンペスト」・チャイコフスキーは文学にも詳しい

チャイコフスキーの文学性「幻想序曲「テンペスト」」 チャイコフスキーは文学にも造詣が深く、文学作品に題材を求めた曲も幾つか残している。 のちに、「戦争と平和」で有名な文豪トルストイと出会ったときなども、 文豪の心をよくつかみました。 nmusic.ha…

「6つの小品」②・チャイコフスキー、創造的な33歳

「6つの小品」のみどころは第4曲以降 チャイコフスキーの創造性がいかんなく発揮された、 「6つの小品」を紹介しています。 前回記事です nmusic.hatenablog.com 第4曲「夜想曲」 夜想曲とは、英語ではノクターンといい、 ショパンが名作をつぎつぎと生み…

「6つの小品」①・チャイコフスキー、創造的な33歳

チャイコフスキー、1つ目の創造期へ 1873年、チャイコフスキーは33歳になっていました。 33歳で作曲したのが、ピアノ曲「6つの小品」です。 27歳の「2つの小品」 30歳の「3つの小品」 チャイコフスキーは3年ごとにピアノ曲を書き上げていますが、 ひとつ…

交響曲第2番「小ロシア」⑦・チャイコフスキーの五人組への思い

チャイコフスキーの五人組への思い 前回の記事です! nmusic.hatenablog.com 『小ロシア』で真の「力作」は終楽章です。 ここでチャイコフスキーは、五人組がよしとしたグリンカの伝統に忠誠を示そうとしています。 グリンカは、チャイコフスキーが音楽家に…

交響曲第2番「小ロシア」⑥・ロシア五人組とチャイコフスキーの親交

ロシア五人組とチャイコフスキーの親交 前回の記事です! nmusic.hatenablog.com 交響曲第2番「小ロシア」をきっかけに ロシア五人組との仲はさらにふかまっていきます。 特に、 『小ロシア』で最も印象深いのはスケルツォで、 この楽章の独特な性格はチャイ…

交響曲第2番「小ロシア」⑤・チャイコフスキーに憧れる五人組

チャイコフスキーへのロシア五人組の好評 ロシア五人組をはじめ、 チャイコフスキーの交響曲第2番「小ロシア」には 多くの注目と歓声が集まりました。 nmusic.hatenablog.com 「ロシア五人組」にとって『小ロシア』が好もしく映ったのは、 チャイコフスキー…

交響曲第2番「小ロシア」④・チャイコフスキーへの評価は?

交響曲第2番「小ロシア」の評価は? 前回は チャイコフスキーの交響曲第2番「小ロシア」が ロシア五人組にも評価された話をしました。 nmusic.hatenablog.com ロシア五人組の 2人からは評価され、 のちに五人組全員から憧れられる曲になりました。 交響曲第1…

交響曲第2番「小ロシア」③・チャイコフスキーVSロシア五人組ふたたび

チャイコフスキーとロシア五人組の再会 32歳で交響曲第2番「小ロシア」を作曲したチャイコフスキーは その曲を引っ提げて、ペテルブルグへ向かいます。 当時の首都はモスクワではなく、ペテルブルクだったので、 より大きな成功を求めて、大きなステージへも…

交響曲第2番「小ロシア」②・チャイコフスキーの故郷への思い

交響曲第2番「小ロシア」にこめられた思い チャイコフスキーの交響曲第2番「小ロシア」は、 その題名通り、小ロシア(ウクライナ)の民謡を数多く盛り込んでいます。 これについて、後世の人はチャイコフスキーの思いを反映したものだと評価しています。 「…

交響曲第2番「小ロシア」①チャイコフスキー32歳

夏休みに浮かんだ交響曲第2番「小ロシア」 チャイコフスキーは 32歳の夏休みに、故郷ウクライナに嫁いでいる妹のところに遊びにいきました。 いつもどおりの仲の良い兄弟です。 このときにウクライナの民謡などをいろいろと取り込みながら、 作曲のイメージ…

弦楽四重奏曲第1番・チャイコフスキー、トルストイとの出会い

チャイコフスキーのやさしさ溢れる作曲 チャイコフスキーは31歳の年に、 はじめての弦楽四重奏曲を作曲します。 作品番号11 「弦楽四重奏曲第1番」ニ長調 チャイコフスキーは少しずつ音楽界でも 力をつけてきており、 この曲は後輩のために作曲してあげま…

チャイコフスキー仕事に慣れ始める30歳「3つの小品」

肩の力が抜けたチャイコフスキー チャイコフスキーはモスクワ音楽院での仕事を 順調にこなしていました。 無事に30歳を迎えます。 この時期になると、 チャイコフスキーはこれまで以上に肩の力を抜いた 自然体な音楽をつくるようになります。 彼自身のなかに…

チャイコフスキーの恋愛ソング「ロマンス」ヘ短調

チャイコフスキーの失恋 チャイコフスキー28歳の恋愛事情を振り返ると、 モスクワにきていた歌劇団にいた ソプラノ歌手アルトーに一目ぼれし、 その翌年には 結婚式をあげることまで決まっていました。 しかし、 アルトーはロシア帝国からスペインに移動した…